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プロジェクトの背景
東日本大震災は極めて不幸で甚大な災害であった。物理的にも精神的にも大きな傷跡を残している。とりわけ絆、安心・安全などが改めて強調されるなど、日本人の価値観に変化をもたらし、目指すべき未来の社会に対し、大きな影響を与える可能性がある。
現在、大震災からの復旧・復興に関連して、安全で安心な社会を構築すべく、様々な研究開発や構築計画が立案されている。ただ、それら計画の多くは既存の社会基盤やハードウェアの再構築に偏っており、既存の社会システムからの脱却を図る考え方はなされていない。
大事故や社会危機などいわゆるクライシスと呼ばれる事象に対し強い社会・生活空間を構築するためには、震災に何を学び、何が重要かを明確にした上で、既存の社会基盤にとらわれない情報やソフトウェアによる構築の側面を調査研究し、その後に既存の社会システムとの融合・共存・移行などの方法を検討する必要がある。また、クライシスに強い社会・生活空間を構築する上で、情報・ソフトウェアの研究開発・技術者の人材育成が大きな問題となっている。これらの研究開発・技術者は、社会に対し深い洞察力を持って社会システムデザインができる能力が必要なことから、産業界と、学生を中心とする大学との共同開発や実証実験を通した育成方法について検討する必要がある。
Resilisについて
委員会は、学界及び産業界からのニーズの高まりが予想される先導的な研究課題について調査研究するため、日本学術振興会により「先導的研究開発委員会」の一つとして設置されたものである。
今回の東日本大震災を契機に、クライシスに強い社会・生活空間の構築する必要性が改めて強くクローズアップされており、日本が抱える課題を解決する技術として、環境問題や少子高齢化に対処する技術に加えて、新たな国際競争力のある技術が生まれる可能性がある。そのため本委員会では、大学や官公庁の研究所からの委員と産業界からの委員が、クライシスに強い社会・生活空間を創生するための技術開発戦略並びに人材育成方策に関して情報交換を行い、将来の新規産業に結びつけることを目指す。